北浜と言えば大阪のカフェ好きの間ではお洒落なカフェが多いところとして知られています。一方でこの地域には、派手さはないれけども昔を偲ばれる場所や、歴史を感じさせる建物も多くあります。
適塾
幕末の学者、緒方洪庵が開いた蘭学塾で、この塾の出身者には福沢諭吉もいるとのこと。

今回訪れた時は残念ながら震災の復旧工事のため休館となっておりました。工事終了後に再び訪れて感想を書きたいと思います。
この遺構の隣には公園があり、私が訪れた時はベンチに座ってくつろぐ人が何人かいました。オフィス街のオアシスのようです。
国民の祝日の翌日(土・日・祝日の場合は開館)
年末年始(12月28日~1月4日)
懐徳堂旧阯碑
この地に江戸時代中期から明治まで漢学塾があったことを示す石碑。

私が訪れた時はここで足を止める人は他にいませんでした。確かに地味な遺構ですが、かつてここに後の日本に影響を与える学びの場があったと、過去に思いを馳せる場所です。
銅座の跡
江戸時代に銅を統制するために徳川幕府が置いた役所がこの地にあったことを示す石碑がここにある。今、この地には愛珠幼稚園があり、これは日本最古の木造の幼稚園とのこと。

ここも懐徳堂旧阯碑と同様、昔日を偲ぶ場所です。同時に、重要文化財に指定された愛珠幼稚園の園舎も見応えがあります。もちろん現役の幼稚園ですので外から見るだけですが、歴史的建造物の園舎で学ぶ子供達を目の当たりにすると感慨深いものがありました。
湯木美術館
料亭「吉兆」の創業者、湯木貞一氏が設立した美術館とのこと。茶道具を中心に展示されています。

実は私は海外経験が長く、今までに通算で9年以上を海外で過ごして、旅行や出張、留学で訪れた国は12ヶ国になります。そんな私が思うのは、日本は独自のコーヒー文化を築き上げているということ。コーヒーを淹れる所作には美しさがありますし、人にコーヒーを淹れる時、そこにはおもてなしの心がありますよね。その背景には、茶の湯の精神があるのではないでしょうか。カフェめぐりをしながらこの美術館を訪れると、そんなことを考えてしまいます。
道修町と少彦名神社
「どしょうまち」と読みます。江戸時代にはここに薬種屋が並び、当時日本で流通していた薬の品質を保つために大きな役割を果たしたそうです。今日でも大手製薬会社の本社ビルが並び、医薬品に関する展示施設が多くあります。そこには、日本の薬の神様としても知られている少彦名命を奉った少彦名神社があります。社務所ビルには「くすりの道修町資料館」があり、無料で見学できます。

神社めぐりが好きな人であれば、今ではオフィス街となったこの地を満たす神社のオーラのようなものを感じられるでしょう。
大阪取引所
前身となる大阪株式取引所は、かつての金相場会所跡にできたとのこと。5階にあるギャラリーは見学できます。
正面に立つ像は、関西実業界の立役者である五代友厚氏とのこと。難波橋のたもとに立つ2頭のライオンの像とともに、北浜で象徴的なこの交差点を見守っているように見えるのは私だけでしょうか。
キタやミナミの繁華街に比べると「地味」な印象があるかもしれませんが、実際に歩いてみると北浜は大阪の歴史を感じられる街だということが分かりました。
この歴史散歩コースは「歩いて楽しむ 大阪」を参考にさせていただきました。